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ドイツ・フィルムアーベント2024/ Deutscher Filmabend 2024(2024年11月28日)
「フリッツィ」 / FRITZI - EINE WENDEWUNDERGESCHICHTE, © WeltkinoFilmverleih
ベルリンの壁崩壊35周年を迎える2024年、ドイツ総領事館は2024年11月28日ドイツ・フィルムアーベントを開催、ドイツの東西ドイツ統一への流れを東ドイツに暮らす少女フリッツィの視点から見たアニメ映画「フリッツィの大冒険-1989年秋の奇跡」(西日本初上映)を上映しました。
《フリッツィの大冒険-1989年秋の奇跡》
1989年の東ドイツ・ライプチヒ。12歳のフリッツィは、親友のゾフィーが夏休みに母親とハンガリーにいる間、ゾフィーの愛犬スプートニクの世話を頼まれ、とても可愛いがっていました。しかし、新学期になってもゾフィーがバケーションから帰って来ません。多くの東ドイツ市民同様、西側に脱出したのでした。フリッツィとスプートニクはゾフィーを探すため勇気をもって旅に出ますが、そこに待ち受けていたのは国の未来が変わってしまうほどの大冒険だったのです。
トークイベント「アニメが持つパワー - アニメで歴史的出来事をどう伝えるか」
「フリッツィの大冒険」上映後、パネリストにマティアス・ブルーン、ラルフ・ククラ(「フリッツィの大冒険」監督)、片渕須直(「この世界の片隅に」監督)を迎え、若い世代が歴史的出来事を身近に感じるためにアニメができる事は何か?歴史的出来事をテーマにする時、アニメが持つ特徴や利点は?限界は?可能性は?日独でアプローチの仕方に違いがあるのか?などについてメラニー・ザクシンガー総領事司会のもと話し合いました。
映画「フリッツィ」は、ドイツが東西に分断されていた冷戦時代、西ドイツで暮らすことになった親友ゾフィーと東ドイツに残されたゾフィーの愛犬スプートニクを再会させるために奮闘するフリッツィの物語です。この一風変わったアニメ映画を監督したのは、マティアス・ブルームとラルフ・ククラ、まさにこの映画にぴったりな、東西ドイツ出身の二人です。両監督はそれぞれビーレフェルト(旧西ドイツ)とドレスデン(旧東ドイツ)で1962年に生まれ、2つの異なったドイツで育ちました。もちろん出身地を理由にこの作品の監督となったわけではありませんが、この作品をこの二人が共同で監督したことは統一ドイツの映画プロジェクトを象徴するものです。
片渕須直 かたぶちすなお
1960年生。「この世界の片隅に」では、約80年前の第二次世界大戦中の家庭の一主婦が暮らした日々を描きました。次回作「つるばみ色のなぎ子たち」では1000年前の女性が過ごした日々を再現しようとしています。
日本大学芸術学部の特任教授・上席研究員として、歴史的な事実をアニメーション映画の基礎とすることについての研究も行っています。