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アナレーナ・ベアボック連邦外務大臣の訪日
ベアボック連邦外務大臣は、2022年7月10日から11日、日本を公式に訪問しました。
滞在初日は長崎市を訪れました。
長崎原爆資料館を視察し、被爆者の田中重光さんと面会しました。
視察を終えたベアボック大臣は、次のように述べました。
長崎と広島は今もなお、私たちが手を取り合って核兵器のない世界の実現に向けて取り組んでいかなければならないことを訴えかけています。世界情勢が大変厳しい中でも、私たちの掲げるべき目標は核兵器のない世界であり、たとえそれが長く、険しい道のりであったとしても、田中さんをはじめとする被爆者の方々のためにも諦めるわけにはいかないのです。
その後、長崎純心大学を訪問し、学生らと交流しました。
核兵器のない世界の実現のため、学生が行っている幅広いプロジェクトについて話を聞いたほか、昨今の国際情勢を踏まえ、平和の意味や平和構築に対する意見を交換しました。
滞在2日目の7月11日は、東京で日本の林芳正外務大臣と会談しました。
会談では、冒頭ベアボック大臣より、安倍晋三元総理大臣の逝去に対する深い哀悼の意が示されました。
会談後の共同記者会見では、ベアボック大臣は次のように述べました。（抜粋）
カウンターパートである林外務大臣に初めてお会いしたのは、私が外務大臣に就任した直後で、昨年の12月でした。当時のことは、今でもとてもよく覚えています。リバプールで開催されたG7外相会合の日の夜、林大臣は、ビートルズ博物館に展示されていたピアノで、ジョン・レノンの「イマジン」を即興で披露されました。
「すべての人が平和に暮らしているのを想像してみてごらん」 ― その2か月後にロシアによるウクライナへの残酷な侵略戦争が始まりました。
そして今、私たちは昨年の12月よりもさらに、平和な世界とはほど遠いところに来てしまった気がします。ロシアによる残虐な戦争はウクライナだけではなく、国際秩序のそのものへの攻撃であり、世界中の人々が信じていた平和な未来をも脅かしています。だからこそ日本とドイツの緊密で信頼に基づいた関係には大きな価値があるのです。
日本は常に信頼のおけるパートナーです。両国はここ数か月、G7や国連、そしてその他の国際的な枠組みにおいても、共に立場を明確にしてきました。私たちはロシアによるウクライナへの侵略戦争を共に非難し、とりわけ対ロ制裁において協調してきました。
それは決して当たり前のことではありません。だからこそ私はこの緊密な協力関係を築けたことに、本日改めて心より感謝申し上げた次第です。我々ヨーロッパ人が緊密に連携するのは自明のことです。しかし、貴国が対ロ制裁においてもこれほど明確に協力的な姿勢を示してくださったことには、感謝の言葉しかありません。（抜粋）
その後行われた、小林鷹之経済安全保障担当大臣との会談では、情報通信の安全性、ライフライン、サプライチェーン、経済的依存（半導体など）といった、経済安全保障に関する問題に踏み込んだ意見交換が行われました。
会談後は東京から横須賀へ場所を移し、日本の海上自衛隊横須賀地方隊、および在日アメリカ海軍第7艦隊の基地を視察し、訪日の全日程を終了しました。
