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G7外相共同声明
1.我々、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国のG7外相及びEU上級代表は、ブチャ及びその他の多くのウクライナの町でロシア軍が行った残虐行為を最も強い言葉で非難する。脳裏に焼き付く一般市民の死、拷問の犠牲者、処刑と見られるものの映像や、性的暴力の報告、民生インフラの破壊は、ウクライナとその国民に対するロシアの残酷な侵略戦争の真の姿を示している。ブチャ及びその他のウクライナの町における大虐殺は、ウクライナの地で侵略者によって行われた残虐行為と国際人道法を含む国際法及び人権の深刻な侵害のリストに刻まれることになるだろう。
2.ドミトロ・クレバ外相の出席の下、我々は本日、ウクライナ国民との心からの連帯を表明し、この戦争の犠牲者とその御家族に深い哀悼の意を表した。我々は、国際的に認められた国境内におけるウクライナに対する我々の揺るぎない支持を強調し、ウクライナがロシアの侵略から自らを守り、自国を再建できるようにするための軍事装備や資金を含め、更なる支援を提供する用意があることを表明する。
3.我々は、一般市民に対するあらゆる攻撃及び民生インフラの破壊を含むこれらの凶悪な行為や残虐行為を行ったものは責任を負い、訴追されることを強調する。我々は、ICC検察局、国連人権理事会の委任を受けた調査委員会、OHCHRウクライナ監視ミッション、OSCE参加国により委任されたOSCE専門家ミッションによるものを含め、これらの、またその他の戦争犯罪や人道に対する罪であり得る行為について調査し、証拠収集するための現在進行中の作業を歓迎し、支持する。我々は、調査への支援、技術専門家、資金を提供する。我々は、ベラルーシのルカシェンコ政権を含め、モスクワが選択した戦争に共謀した全ての者に対する責任追及を続ける。 我々は、今こそロシアの人権理事会のメンバーとしての資格を停止する時であると確信している。
4.ロシアは、2022年2月24日にウクライナの領土で開始した軍事作戦を停止することを求める国際司法裁判所(ICJ)の法的拘束力のある命令に即時に従わなくてはならない。また、我々はロシアに対し、クリミアを含むウクライナの国際的に認められた国境内の領土全域から軍と装備を完全に撤退させるよう強く求める。
5.我々は、化学、生物又は核兵器による威嚇やその使用に対して警告する。我々は、ロシアが加盟国であり、また我々皆を保護している国際条約の下での同国の義務を想起する。ロシアによるそうした兵器のいかなる使用も受け入れられず、また深刻な結果をもたらすことになる。我々は、ロシアによるウクライナに対する根拠のない主張と虚偽の申し立てを非難する。ウクライナは、生物兵器禁止条約および化学兵器禁止条約の尊敬される加盟国であり、それら条約の下での法的義務を完全に遵守している。我々は、ロシアの偽情報キャンペーンを増幅させた他の国や主体に対する懸念を表明する。
6.我々は、ロシアが核施設を力ずくで占拠したこと並びに、数多くの核関連施設や、核及びその他放射性物質に関連したその他の暴力的行為に対する最も重大な懸念を表明する。このような行為は、核施設やそれら施設の文民の職員の安全に対する深刻かつ直接の脅威をもたらし続けており、核関連の事故・事案のリスクを大いに高め、ウクライナ、周辺国及び国際社会の人々を危険に晒している。
7.我々は、ロシアが国際人道法の下での義務を遵守し、露骨な違反をやめるよう、改めて要求する。ロシアの指導者は、安全、迅速、かつ妨害されない人道アクセスを即時に提供し、安全な移動を確保し、包囲された都市に人道支援が届き市民が安全を得ることを可能にしなければならない。
8.我々は、ウクライナ政府の人道に関する調整体制を支援し、人道支援を迅速に支出することをコミットする。我々は、他国もこの取り組みに参加するよう要請する。ロシアの冷酷な戦争と行動が世界的に商品と食料の価格に大きな影響を及ぼす中、より多くの資金を含む人道的な支援が、ウクライナ及びその他の国々等に対して緊急に必要である。今般引き起こされた食糧不安の高まりによって、最も弱い立場の人々が特に大きな影響を受けている。我々は、欧州での戦争遂行というプーチン大統領による一方的な選択による価格高騰に耐えねばならない世界中のパートナーたちと連帯する。我々は、全ての手段と資金調達メカニズムを結束して活用し、全ての大陸において、食料安全保障に取り組み、市場を開放し、農業部門における強靭性を構築する。
我々は、西側の制裁が世界の食料価格の上昇を引き起こしたというロシアの主張に積極的に対抗し、それが明白な嘘であることを晒していく。
9.ロシアがベラルーシと共謀して行っているウクライナへの侵略を踏まえ、我々は既にロシアに対して、ロシア経済に大きなコストを課す、前例のない協調した経済・金融制裁を実施している。我々は、ロシアとベラルーシのルカシェンコ政権に加える経済的圧力をさらに増大させる必要性を強調する。国際的なパートナーとともに、G7は、ロシアがウクライナに対する侵略を継続する能力を効果的に阻止するための追加的な制限的措置を課すことによって、ロシアに対する圧力を維持し、強化する。また、我々は、制裁を回避するため、あるいは他の手段でロシアを支援するためのあらゆる試みを阻止するために協力する。また、我々は、ロシアのエネルギーへの依存を低減する計画を急ぐための更なる措置を講じており、この目的のために共に取り組んでいく。
10.我々は、周辺国がウクライナ避難民や紛争の影響を受けた第三国人を受け入れ、大きな連帯と人道精神を発揮したことを称賛する。我々は、国際的支援の強化の必要性を確認し、また、今後も更なる避難民の受け入れを含め、これらの国々への支援を続けていく。プーチン大統領のウクライナに対する侵略戦争により、すでに数百万人の一般市民、特に女性、子ども、高齢者が故郷を追われた。420万人を超える人々が国境を越えて他国へ渡り、そのほとんどがEUとモルドバ共和国へ向かった。我々は、人身売買のリスクを含む、これらの脆弱な人々へのリスクに関する懸念を改めて表明し、避難民を保護するとの我々のコミットメントを強調する。
11.G7外相は、国民一人当たり最も多くのウクライナ避難民を受け入れているモルドバ共和国に特別な注意を払った。 G7外相は、4月5日にベルリンでドイツ、フランス、ルーマニアが共催したモルドバ支援会議及びモルドバ支援プラットフォームの設立を受け、モルドバによる人道面の対応と同国の長期的な強靱性に対する支援について、更に調整することに合意した。
(日本語仮訳 日本国外務省ウェブサイトより)