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日独首脳共同記者会見 ショルツ首相冒頭発言

28.04.2022 - プレスリリース

親愛なる文雄、この度は日本にお招きいただき大変嬉しく思い、訪日によって日独関係の重要性を強調するため喜んでご招待をお受けしました。同時にこの訪問は、ドイツとEUがインド太平洋地域でのコミットメントを継続・強化するという明確な政治的シグナルでもあります。

ロシアによる侵略戦争により、私たちの目は今ウクライナに注がれています。ドイツと日本は、ルールに基づく国際秩序を守り、国連憲章の基本原則を堅持し、普遍的人権を推進するため協調して取り組んでいます。

もちろんこの訪問は、ドイツと日本で前後連続するG7議長国期間とも関連するものです。ですから私は、エルマウサミット前に訪日することを重視しました。首相には、この数か月の信頼に満ちた緊密な協力に感謝します。すでに言及のあったとおり日本は来年のG7議長国であり、互いに議長国期間やその課題について緊密に調整していこうということでしっかり一致しました。

私たちは「価値を共有するパートナー」です。ロシアのウクライナ侵攻やG7がとった力強い共同の対応は、この言い回しが極めて具体的、実際的、政治的な意味を持つことを示しています。国際法違反のウクライナ侵攻や恐ろしい戦争犯罪に鑑み、本日お話しした対ロ措置は、日本をはじめG7のパートナーとともに示す明確なシグナルです。私たちはともに、ロシアの侵略戦争の国際的影響をG7の議題として取り上げていきます。

これまでの制裁とその実施の意義について私たちの見方は一致しており、今後の制裁についても緊密に調整を図っていきます。制裁は高い効果を上げており、ロシア経済に著しいダメージを与えています。まさにそれが狙いでした。砲撃が止み、ロシアが撤退し、ウクライナが領土の一体性と主権を再び完全に取り戻すよう、ロシアの行動を改めさせるのが狙いなのです。首相と貴国によるご支援に改めて心から深く感謝申し上げます。このような困難な時期の連携はとても、とても重要です。

私たちは日独パートナーシップを強化していきます。これは、すでに設置されている「2+2」でも進められていますが、政府間定期協議も立ち上げ、来年、第一回会合を実施したいと考えています。これは、日独関係を質的にさらに発展させるものであり、日独関係が私たちにとっていかに重要であるかを物語っています。

また本日のように、両国の経済界代表が一堂に会するハイレベルな会合を今後実施していくことでも一致しました。経済の発展は、両国にとり重要だからです。日独両国とも世界の先進工業国であり、技術的な協力を継続し、5G技術やすでにお話ししている経済安全保障といったテーマで協力していこうと考えています。とりわけ、サプライチェーンにおける個々の国への依存を低減していくことは、これまで以上に緊急性を帯びた課題です。また、自由な交易路の確保も重要なテーマです。

今取り組むべき課題は、具体的にG7議長国として、侵略戦争がもたらす影響について協議し、国際的にも食料安全保障などの問題について積極的に行動することです。食料安全保障は、地理的に遠く離れているにもかかわらず現在戦争の影響に苦しんでいる多くの国にとり非常に重要な問題です。

本日さらに深めたいと考えているテーマのひとつが、気候変動問題における協力です。両国とも非常に野心的な目標を掲げ、今世紀の半ばまでに気候中立を達成しようとしています。そのためには例えば水素経済について技術的な協力を行っていくことも重要です。日独両国が気候中立な工業国となることにもつながるような、新たなグローバルビジネスを発展させていくということです。

これまでの有意義な懇談を、これからさらに続けさせていただきます。私たちの関係は良好です。首相との良好な協力に感謝します。


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