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死刑に反対する欧州 議論に加わろう

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10月10日の「世界死刑廃止デー」に際し、駐日欧州連合(EU)代表部のハンス・ディートマール・シュバイスグート大使、シュタンツェル駐日ドイツ大使 をはじめとする駐日EU加盟国大使、およびノルウェー、スイスの駐日大使が連名で、2013年10月7日付の毎日新聞に寄稿しました。

10月10日の「世界死刑廃止デー」に際し、駐日欧州連合(EU)代表部のシュバイスグート大使、シュタンツェル駐日ドイツ大使をはじめとする駐日EU加盟国大使、およびノルウェー、スイスの駐日大使が連名で、2013年10月7日付の毎日新聞に寄稿しました。

死刑は感情に訴える、扱いの難しい問題です。死刑は残虐な犯罪の抑止力にはならないという多くの証拠があります。また、誤審に基づく極刑は、かけがえのな い命を永遠に失うことを意味します。2008年に刑が執行されるまで無罪を主張していた久間三千年元死刑囚に絡む最近の新事実は、このことを我々に痛切に訴えます。

日本、欧州連合(EU)、EU加盟国、ノルウェーおよびスイスは多くの考えが一致するパートナーです。我々は、気候変動からテロ対策、人道援助やエ ネルギー安全保障にわたる地球規模の課題に対し緊密に協力しています。このような連携は、民主主義や人権および法の支配の原則の順守という共通の思いを土 台にしています。しかしながら、死刑制度に対する考えは一致していません。

死刑の廃止はEUの加盟条件の一つですし、EUは世界各国に対し同様の措置をとるよう促しています。これは、日本がオブザーバー参加をしている欧州 評議会に加盟する47カ国についても同じです。我々は、どのような形や状況下であれ、極刑に反対です。死刑は人間の尊厳を侵害するものです。それゆえ、 2011年に死刑執行がなかった日本において、昨年執行が再開されたことを大変残念に思いました。また、今年に入ってからの6人の死刑囚に対する刑の執行 を非難し、死刑の廃止を前提としたモラトリアム(執行停止)を導入するよう、引き続き日本政府に働きかけるつもりです。

日本政府の調査によると、回答者の86%が死刑を支持しています。同時に、他の調査などでは、一般市民は死刑に関して考察するための関連情報を必ず しもすべて有していないことが示されています。例えば、多くの人々は日本における死刑執行方法は絞首刑のみであり、これが1873年以来変わっていないこ とを知りません。

死刑廃止は世界的潮流となっています。世界の3分の2の国々は死刑を正式に廃止もしくは執行停止しています。米国でさえも、死刑を執行しない州の数 は、今年5月に決定したメリーランドで18に上ります。この潮流はアジアでも見受けられます。モンゴルは2年に及ぶモラトリアムを経て、2012年に死刑 を廃止しました。

我々は、死刑に関する考え方やその道義的・法的結果を日本国民と共有し、この国における死刑の使用と影響のあらゆる側面について徹底した議論を促したいと考えています。

また、この議論に日本政府が積極的に関与してほしいと思います。それゆえ、9月12日の死刑執行を受け、我々の死刑に関する原則に基づいた反対を述べた書簡を岸田(文雄)外相に渡しました。

我々は「死刑に反対する欧州――議論に加わろう」と銘打った新たな取り組みを世界死刑廃止デーに当たる10月10日に開始することで、この国民的議 論に貢献する用意があります。このスローガンの下、展示会、コンテスト、会議、ブログや各種調査、あるいは政府関係者や国会議員などに働きかけることを通 じ、日本における極刑に関する人々の知識や理解を深めることにより、死刑のあり方の議論を促進したいと考えています。

死刑廃止は、政府と国民双方が勇気と決意を示す必要のある問題です。死刑制度の議論が、日本の基本的価値と一致するモラトリアムへの支持を高めることに貢献するよう期待しています。

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