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ベルリンの壁崩壊から30年を迎えるにあたり ハイコ・マース ドイツ外務大臣寄稿文

Berliner Mauer und Brandenburger Tor, 10. November 1989

Berliner Mauer und Brandenburger Tor, 10. November 1989, © akg

06.11.2019 - 記事

ベルリンの壁が崩壊したとき、あなたはどこにいましたか?

Bundesaußenminister Heiko Maas
Bundesaußenminister Heiko Maas© Thomas Imo/photothek.net

1989119日を欧州で経験した人ならば誰でも、この質問に答えられるでしょう。今から30年前、東西ドイツの市民が歓喜の涙にむせびながら抱擁を交わしたとき、終焉を迎えたのはドイツ分断だけではなかったからです。ベルリンの壁とともに、欧州大陸を40年の長きにわたり引き裂いてきた鉄のカーテンもまた、崩れ落ちたのです。

ドイツ統一は、ドイツ人が、欧州大陸に想像を絶する苦難をもたらした世紀が終わりを迎え、欧州からドイツに与えられた贈物でもありました。

こうしたことから私たちには、欧州統合を完成させるという責任が生じています。1989年、自由と民主主義を求めてデモを行った人々が抱いていた価値や夢にふさわしい欧州を作り上げるという責任です。ドイツ統一から30周年を迎える来年、ドイツのEU議長国期間中もこうした目標に向けて取り組んでいきます。

私たちがこの世界で生き残っていくためには、欧州としての結束が不可欠です。グローバル化、気候変動、デジタル化、移民という地球規模の4つの重要課題に、単独で対処できる国などないからです。

•        私たちは、ロシア、中国等の国々に対し欧州としての共通政策を整備・実行しなければなりません。そのためには、より実効性のある外交政策が必要であり、特に全ての加盟国のより柔軟な対応が求められます。27カ国が国別のアプローチをとっていたのでは、行き詰ってしまうでしょう。

•        私たちは、国際秩序の維持に向け共に闘い、「多国間主義のための同盟」の中核的存在とならねばなりません。欧州の平和もまた、国際秩序の維持にかかっているからです。

•        私たちは、気候変動対策を共に主導していかなければなりません。今世紀半ばまでに欧州をカーボンニュートラルにするとの目標を達成するには、勇気ある政治的決断と真の社会的努力が欠かせず、もしこれが果たせなければ、子どもたちの未来をみすみす台無しにしかねないのです。

欧州市民が、国の垣根を超えて思考し行動するとき、どのようなことを成し遂げられるのか。平和と民主主義、法と正義を求めて行動する私たちには、どのような力が備わるのか。1989年の秋は、このことを示してくれました。それは、壁や国境を乗り越える力であり、権威主義的傾向が強まる世界においても自分たちの価値と利益関心を追求する力です。

世界は今、自由を希求する欧州の勇気を必要としています。1989年に経験したあの勇気です。今こそ、躊躇なく欧州人としての原点に立ち返り、欧州の理念に則って行動する勇気を持とうではありませんか!

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